ハウスの運営を考えているとき、ふと、どのくらいICT技術が将来進歩し、高齢者施設・住宅の運営を変えることになるだろうかと思った。オリンピックの夜の空中を様々なオブジェを描いて飛んだ千数百台のドローンや、空飛ぶ車のニュースを聞くにつけ、AIやVRのICT技術が進歩して、住宅の運営も大きく変えるのではないか、と。それらを知りたくて「2030年(ピーター・デアマンディス&スティーブン・コトラー著、2020年12月」と「2040年の未来予測(成毛真著、2021年1月)」という2冊の本を読んだ。
それらを読むと、住宅関連のICTの進歩は人の介在なくセンサーと監視機能、AIとロボテックにより人の代替機能を果たすということ。将来はこれらの技術が大幅に進んで、今とは様変わりの世の中になるのではないかと思っていたが、実際は想像以上に進化してしまうようだ。
ムーアの法則という言葉をご存じであろうか。もう50年近く前にムーアという人がコンピュータの性能は2年間に約2倍になると予測し、その計算に依れば10年で約500倍、20年で約50万倍になるという計算だ。それからすでに50年経っているのですでにコンピュータの能力は約5000億倍にはなっているはずである。実際、今のスマホは少し前までのスーパーコンピュータ並みの能力を持っているという。しかも今はそのムーアの法則も無視した速度で進歩しているという。
このような技術の進化の結果、ハウス運営は日々の安否確認は勿論、入居者の健康状態や体調の把握、生活行動の異変や予期せぬ事故のキャッチ、フロント業務とのコミュニケーションや生活相談、各種愁訴やニーズの把握など、現状と様変わりする可能性がある。
また、入居者の身体状況の管理という点でも、私は市販されているスマートウオッチを2年前から使っているが、毎日の運動量・歩行数・消費カロリー、睡眠時間、心拍数や血中酸素などのバイタルサインなどが測れている。スマホと連動しているのでスマホで過去の記録を観ることができる。GPSが入っているのでどこにいるのかわかるし、電話通話も出来るので、入居者の異常を東京の管理センターでキャッチして、会話で状態を確認することが可能なのだ。
そうすると今の平均的な管理戸数が更に増えても大型化しても大丈夫だという考え方になる。50戸~80戸が200戸とか300戸も可能になり、例えば500メートル以内であれば60戸の棟が4棟建てられていてもスタッフ人員は最小限で済むということもあり得る。
生身の人との接触による“ぬくもり”や“優しさ”が大切なの分かる。しかし労働力の減少と人件費の上昇を考えると、比較的廉価で高齢者住宅を用意するにはICT技術に期待するのも一つの手だ。

